国策の1兆円 半導体工場のためにインターナショナルスクールが開校へ
半導体製造業のTSMCは、熊本県に新工場を開設します。
そのためにエンジニアなど台湾からの駐在員と家族600人余りが来日しますが、そのうち家族で駐在する子弟は、130人とNHK熊本は報じています。
インターナショナルスクールを設置するのは、九州ルーテル学院で、インターナショナル小学部を私学審議会にかけながら新設を予定しています。
九州ルーテル学院がアオバジャパンと包括協定締結へ
インターナショナルスクールの運営は、株式会社アオバインターナショナルエデュケイショナルシステムズが国際バカロレアの学びを提供するとプレスリリースで公表されました。
(編集部:12月16日加筆)
プレスリリースでは、下記の7点が公表されました。
1. インターナショナル小学部設置
2. ルーテル学院中高生への国際教育提供
3. 学外生徒に対する国際教育受講機会の提供
4. 国際カリキュラム(国際バカロレア等)の取得
5. 国際教育認証機関(CIS等)の認証取得
6. 児童、生徒及び教職員の交流
7. 国際教育普及のためのセミナー等の開催
九州ルーテル学院は、大学、中高、幼稚園、保育園を運営していますが、初等部はありませんでした。
今回、インターナショナルスクール初等部を開校することにより、幼小中高大学と運営ができます。
包括協定締結のポイント
包括協定締結から読み出せるポイントを編集部はまとめてみました。
インターナショナルスクール初等部で国際バカロレア認定校を取得。
またインターナショナルスクールの認定は、CISを目指す。
中高生は、九州ルーテル学院に進学を促す。
駐在員のお子さんの年齢層のボリュームゾーンは、小学生が中心のためインターナショナルスクール初等部を開校し、中高生は九州ルーテル学院へ、という計画が見えてきます。
アオバジャパン・インターナショナルスクールとは?
アオバジャパン・インターナショナルスクールの学園生活は「コミュニティ精神」に根ざしています。
私たちは、グローバルな視座を持ち、思いやりがあり、協力的で、そして学ぶことに深い喜びを感じ、リスクを恐れず新しいことに挑戦し世の中を変えていくことができる生徒を育んでいくことを信条としています。
1976年に設立されたアオバジャパン・インターナショナルスクールは、2013年に株式会社ビジネス・ブレークスルーが経営に参画し、小中高の国際バカロレア一貫校になりました。
東京を中心に国際バカロレアの幼児園のアオバジャパン・バイリンガルスクールを展開しています。
産業構造と連携したインターナショナルスクールの設置事例
インターナショナルスクールは、外国人駐在員のための教育施設が始まりでした。
今回のように産業と連携したインターナショナルスクールの開設は、これまで事例があります。
インドの新幹線プロジェクトを1.5兆円で受注したプロジェクトでは、JR東日本の研修施設でインドから家族で駐在しています。
また、小規模ですが核融合の研究のためにフランスから研究者が青森などに駐在し、その家族のためにフランス語の小規模な教育施設もあります。
今後、円安とともに地政学的に日本に産業が移動することが予想されています。
国内は、少子化で教育業界は深刻な状況にありますが、アジア全体で考えると日本は教育産業の可能性高い地域です。
今回、半導体産業が熊本に移動することによって、インターナショナルスクールが開校することは、今後も全国で同じようなケースが出てくると言えるでしょう。
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。