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【インタビュー】国際バカロレアの候補校へ 東京ウエストインターナショナルスクール 清水グレースさん

【インタビュー】国際バカロレアの候補校へ 東京ウエストインターナショナルスクール 清水グレースさん

2014年4月から東京ウエストインターナショナルスクール(東京ウエスト)は、国際バカロレア候補校になります。昨年には米国の教育認定機関AdvancEDの認定を受けました。そこで、東京ウエストインターナショナルスクールの清水グレースさんにお聞きしました。


国際バカロレア(IB)の候補校へ 

2014年4月から東京ウエストインターナショナルスクール(東京ウエスト)は、国際バカロレア候補校になります。

 また、昨年には米国の教育認定機関AdvancEDの認定を受けました。
 国際バカロレア候補校と国際認定機関の認定が続いています。
 東京ウエストは10年で大きな節目を迎えたようです。
 そこで、東京ウエストインターナショナルスクールの清水グレースさんにお聞きしました。

━━━AdvancED、IBの候補校となった率直なご感想をお聞かせください。

 AdvancEDの認定を受けましたが、IBは、まだ候補校の段階です。
 認定校となるまでさまざまなプロセスがあります。
 研修などひとつひとつ認可に向けて進めていきたいと考えています。

 創立からの10年を振り返ると「子どもたちに良い教育を」という願いをかたちにしてきたと思います。
 今回のIBも私たちの教育理念を反映した認定がないだろうか、と探し続けてきた結果です。

 キンダーガーテン(幼稚部)から小学部まで教育課程を発展できたのは「お子さんのために最善の教育を」と思い、行動された保護者の協力、教職員がいたからです。

━━━認定ですがAdvancEDは東京ウエストを「学校」として公的に認めるものでした。国際バカロレアのMYPは、カリキュラムです。国際バカロレアで学ぶ良さとはどこにあるのでしょうか?

 生徒がIBで学ぶ良さはいくつもあると思うのですが、ひとつはグローバルな考え方ができることが挙げられます。

 本校には、さまざまな国から日本に来た生徒が通っています。
 生徒がそれぞれ持つ「個」にはそれぞれの国、文化があります。

 「個」を伸ばし、違う文化を持つ生徒同士がどのように協力し、尊重し、リーダーシップを発揮できるか。

 いわば多国籍な生徒が、お互いに伸びるためには、どうしたら良いだろう。
 そう考えた時にIBは、グローバルな生徒が集まる本校の生徒構成と大変組み合わせの良いカリキュラムです。

 2つ目に、IBは探求型カリキュラムと呼ばれますが、子どもたちが自身で考え、判断していけるように「考える」カリキュラムです。

 さまざまな角度から物事を観察し、つながりを見つけ、分析していく。
 すなわち自分で調べ、分析し、分類し、まとめていく。
 そのプロセスを自分のなかに身に付ける。
 そのためにIBを導入したいと考えています。

 3つ目に、世界に進学してほしい。

 幼稚部で採用しているIPCも子どもたちを伸ばす、素晴らしいプログラムです。
 しかし、今後、中学部、高等学部の開設を考えると生徒が世界中の大学に志願できるIB-DPは、魅力的です。

 IBは世界的に認められたカリキュラムです。
 特に高校2年生から学ぶディプロマ課程で「ディプロマ」資格を取得すると国内・海外の大学へ進学できます。

 デュアル・ランゲージDP(日本語DP)も2015年から日本の学校でも開始されます。
 そのため日本の大学でもDP取得者を対象とした新しい入試も発表されています。

 生徒が世界・日本でも進学できるようにすること。
 それがIBを導入する大きなポイントです。

━━━今回、国際バカロレアのMYP候補校となりますが、初等教育のPYPではなく中等教育のMYPから導入した理由はあるのでしょうか?

 ふたつ理由があります。
 ひとつは、すでに初等教育でIPCを採用していることです。

 PYPは、IPCと同じく初等教育のプログラムです。
 IPCで学ぶ土台があるため、次の中等部課程でIB-MYPを導入しようと考えました。

 2つ目は、中学部が八王子新キャンパスで開校するためです。

 中学部開校とともにMYPを採用するのがベストだと判断しました。
 さらに中学部の生徒が高等部に入る頃に高等部でDP課程を採用したいと考えています。

 初等教育でPYP課程の採用も考えていますが、今は、MYPとDPの認定を優先しています。

━━━グレースさんは、創立時から指導されています。10年でAdvancED認定、IBの候補校と進み、感慨深いものがあると思います。次の10年で東京ウエストは、どのような学校になるのでしょうか?

 そうですね(笑)。
 10年後には、中学部もでき、高等部もできていますね。

 大きな学校ではないからこそ出来る教育があると考えています。
 例えば、本校は少人数で学ぶアットホームな雰囲気の学校です。

 このまま幼稚部から高等学部まで本校の雰囲気のなかで、一貫して育てていきたいと思っています。
 世界中から生徒が通っているため、いろんな考え方の生徒が巣立っていくと思うのですが、国内でも世界でも活躍できる人材が出ることを期待しています。

 10年後も、生徒の活躍を見守りたいと思います。楽しみです。
 (タイムズ:そのなかには東京ウエストに教職員として、戻ってくる生徒もいると思いますが……。)
 そうですね。
 もし教壇に立ってくれる卒業生が出てくるのであれば、こんなうれしいことはありませんね(笑)。
 そのためにも、この学校を保護者とともに育てていきたいと思います。

━━━IBというとDP資格が世界の大学で高く評価されています。先ほどお話がでましたが、DP課程は、いつから開始されますか?

 DPの前に、2014年4月から中等教育のMYP候補校となります。
 時期は前後しますが、高等学部でDPを進めるための申請も計画中です。

━━━そうするとMYPの認定が2017年前後になりそうですね。

 一概にはいえません。
 IBの認定は、申請すれば終わりではありません。

 認定校になるために生徒・保護者、教職員、学校全体が、IBの教育理念を理解する必要があります。

 さらに、IBのカリキュラムを整えるために教職員の研修なども行われます。
 IBの教育を実施できるとIB機構から認められるまで、認可が下りません。

 候補校になったということは、これからIB教育を行うための準備に入ったということです。

 ここから、学校全体がIB教育をおこなうための努力が始まります。
 まだ候補校の段階ですので、IB機構から正式に認定が下りるまで準備を進めていきます。

━━━IB認定校は年間100万円以上の認定料を含め、教職員の研修など多額の費用がかかります。 保護者として気になるのが、授業料です。IB校になることで、入学金や授業料など変わるのでしょうか?

 IBを採用するために授業料を大幅に変える考えはありません。
 東京ウエストの教育理念は、インターナショナルな教育環境を提供することです。

 すなわち、本校で学びたいと考えている生徒・保護者の方が学びやすいように、最大限の努力をしています。

 そのひとつが授業料です。
 グローバルな教育を受けたい方に~それは外国人、帰国生、地元のお子さんを含め~だれでも学べるような体系を提供するのが教育機関の使命だと考えています。

 学校側として、本校で学びたい生徒に教育機会を提供したいという考えに基づき、授業料も設定されています。

 そのためIBを採用しても、授業料を大幅に見直すことは今のところ考えていません。
 
 (編集部注記:物価の自然上昇など授業料が上がる要因が考えられますが、IB校になることで授業料が大きく変わることは今のところないようです)

━━━最後に東京ウエストに関心を持っている生徒・保護者の方にメッセージをお願いします。

 本校は、大規模な学校ではありません。
 本校には、さまざまな国、文化背景を持った生徒が通い、一緒になって学んでいます。

 また、アットホームな雰囲気の中で、生徒ひとりひとりを考えた教育をおこなっています。
 授業だけではなく、他校との交流やさまざまな学校行事を通し、いろんな体験を通し学んでほしいと考えています。  

 そして、子どもたちが自信をもって、真のリーダーシップ~やさしさ~を持った生徒になることを願っています。

━━━学校見学で、先生と生徒のつながりや授業内容、雰囲気などさまざまなことがわかりますね。本日は、お忙しいところインタビューにお答えいただきありがとうございました。

取材後記
 取材中も入学希望者の家族が見学する様子を見ることができました。
 入学希望のお子さんの目線に合わせ、膝を折って話しかけていたグレースさん。
 その後ろ姿には、ひとりひとりの生徒と目を合わせ、膝を折って話してきた教育者の姿がありました。

東京ウエストインターナショナルスクール

東京都八王子市にある東京ウエストインターナショナルスクールは、共学で幼稚部から中学部までが開校しています。
国際バカロレアの候補校となっており、多摩地域を代表する国際バカロレア認定校となる予定です。

教育課程:幼・小・中
〒192-0013 東京都八王子市梅坪町185
TEL:042-691-1441
E-mail : [email protected]
URL:http://tokyowest.jp

認定
 国際バカロレアMYP候補校
 AdvancED北米学校認定機構 認定校
 IPCメンバー校
 WASC 候補校

この記事の記者

インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。

プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。

国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。

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