AI時代は、非認知能力が求められる時代へ
世界を旅しながら学ぶインフィニティ国際学院の生徒。
AI時代は、人工知能が発達し、暗記型の学びよりも問題発見、解決型の学びが重視されてきています。
同時にAIではできない感情共有や感性の表現など「人ができること」が重要になってきています。
2020年度の新学習指導要領の「育成すべき資質・能力」の1つには「学びに向かう力、人間性等」が含まれました。
▽ 非認知能力と呼ばれています。
IQや学力といったテストなどで評価している能力を「認知能力(cognitive skills)」と言います。
一方、物事に対する考え方、取り組む姿勢、行動など、日常生活・社会活動において重要な影響を及ぼす能力を「非認知能力(non-cognitive skills)」と言います。
出典:一般財団法人 日本生涯学習総合研究所
非認知能力は、定量化し、偏差値のように数字として可視化することが難しい能力です。
AI時代により重視されている能力。それが非認知能力です。
編集部は、2020年の学習指導要領の改定前後からインターナショナルスクールを始め世界の教育の潮流を記事にしてきました。
その中で、AI時代と同時に求められる資質能力に非認知能力と社交性や感情のコントロールスキル社会情緒的スキル(Social Emotional Learning )を重視してきました。
知識,思考,経験を獲得する能力の認知的スキルは、AIによって代替される部分が増えると予想されています。
それに対し、社会情緒的スキルは個人に属する能力だからです。
国立教育政策研究所は、非認知能力を調査しており、中間報告で下記のように定義しています。
社会情緒的スキルは、「長期的目標の達成」「他者との協働」「感情を管理する能力」の3 つの側面に関する思考、感情、行動のパターンであり、学習を通して発達し、個人の人生ひいては社会経済にも影響を与えるものとして想定されている。
出典:国立教育政策研究所「非認知的(社会情緒的)能力の発達と科学的検討手法についての研究に関する報告書」
インフィニティ国際学院の生徒は、多くの国・地域でプロジェクト型で学ぶ。
非認知能力の伸ばすインフィニティ国際学院〜少数で多彩な進路へ〜
それでは「非認知能力」の育成に特化する学校の生徒は今どのような進路を辿っているのでしょうか。
今回、編集部では開校時に速報を出したインフィニティ国際学院のその後を調査しました。
このインフィニティ国際学院は、非一条校で独自のカリキュラムを行う学校(オルタナティブスクール)です。
特徴は「世界の現場を舞台にして生きる力を身にける」点です。
高等部では、キャンパスを持たずに日本と海外を旅して学びます。
暗記型の試験は在学中一度もなく、成績評価もありません。
社会の現代的諸課題や、滞在先の地域と密接した題材から探究学習を基盤とし、個々がフィールドから学びを掴みに行く教育を実践しています。
海外だけでなく、国内でもプロジェクト型で学ぶ。
インフィニティ国際学院の卒業生は、現時点で1期生、2期生のみ。
編集部が卒業生の進路を調べるとユニークな進学先が見えてきました。
それぞれのパターンを詳しくみてみましょう。
パターンA フランス大統領を輩出するグランゼコールへ
高等部1期生の生徒で、ユニークな進学先として下記の生徒がいます。
教育移住&母国のひとつのためカナダの小学校で学び、都内の中高一貫校に通い、途中でインフィニティ国際学院へ編入。
インフィニティ国際学院からカナダにあるUWC ピアソンカレッジに進学。
その後、フランスの政財界のトップエリートを育てるグランゼコールのひとつであるパリ政治学院へ進学しました。
経緯を分析すると下記の点が挙げられます。
・リーダーシップ教育に強いインフィニティ国際学院とUWCピアソンカレッジ。
・フランスのパリ政治学院というフランス語圏のアウェーで生きていく力。
巻き込むリーダーシップや課題発見、解決力などインフィニティ国際学院の学びと前後の学びが一貫しています。
パリ政治学院の卒業生には、マクロン大統領、ミッテラン元仏大統領、シラク元仏大統領など政治家をはじめガーリ元国連事務総長、社会学者のエマニュエル・トッド、クリスチャン・ディオールの創立者クリスチャン・ディオール、「失われた時を求めて」の著者マルセル・プルーストなど多様なエリートを輩出しています。
▽ 公式ウェッブサイトの卒業生インタビューには、このように述べています。
カナダの小学校で自分が興味を持ったことを自由に学べる時間があり、大学のためでなく好きなことを探究できる学び方が合っていると気付きました。
その後、帰国生枠で、都内有名私立中高一貫校に進学した頃インフィニティ国際学院高等部(以下、インフィニティ高等部)と出会い、高校1年生の9月に転入学を決めました。
インフィニティ高等部では、自分の関心のあることにとことん向き合うためにプロジェクトに取り組んだり、フィリピンで出会った現地の友人たちと社会情勢について語ったり、様々なバックグラウンドを持つインフィニティの仲間たちと楽しい時間や難しい話し合いを行ったりと、日常生活から多くのことを学びました。
その後、インフィニティ高等部からカナダにあるUWCピアソンカレッジに進学し、現在はフランスの財政界のトップエリートを育てるグランゼコールのひとつであるパリ政治学院へ進学しました。
パターンB 国内のインターナショナルスクールから海外大学へ
高等部1期生の生徒で国内のインターナショナルスクールから海外大学へ進学した生徒がいます。
関西の私立小学校に入学し、その後、関西にあるインターナショナルスクールに編入し、インフィニティ国際学院へ編入。
その後、オーストラリアにあるクイーンズランド大学(TimsHiger 23年度 世界大学ランキン 53位)に進学しています。
(TimsHiger 23年度世界大学ランキングでは、東京大学が39位、京都大学が68位)
▽ 同校の生徒は、卒業生の大学にも見学に訪れています。
経緯を分析すると下記の点が挙げられます。
・課題発見、解決力に強いインフィニティ国際学院と海外大学の学び。
・国内から海外へ学ぶ好奇心を育てる。
国内外で学ぶインフィニティ国際学院の学びと海外大学の学びは、一貫性があります。
クイーンズランド大学の卒業生には、「英国王のスピーチ」の俳優ジェフリー・ラッシュなど多様な人材を輩出しています。
▽ 保護者の方は、お子さんの経緯について下記のように述べています。
キンダーキッズの幼稚園を卒園後、関西の私立小学校で6年間過ごしましたが、本人が自分らしさを出すと押さえつけられてしまうことが増え、日本型の教育に対して「なぜ?」と違和感を持つことが多くなりました。
親としては、キンダーキッズで育まれた自己肯定感を大切にしてもらいたいと思い、中学校からはインターナショナルスクール(以下、インター)に進学しました。
インターナショナルスクールでは自分らしさを出せていたものの、高等部に近づくにつれ国際バカロレアの勉強で詰め込みが増え「もっと世界を見て欲しい」という願いから中等部卒業を機に、インフィニティ高等部へ9月入学しました。
インフィニティ高等部では、日本・海外での様々な経験からたくましさが養われ、仲間との共同生活から人に対して思いやりが強い子に育ったようです。
その後、世界中の同世代と幅広い分野から物事を研究していきたいと思い、リベラルアーツの学部があるオーストラリアのクイーンズランド大学に進学しました。
パターンC 海外に留学し、挫折しても再び海外へ挑戦
高等部2期生の生徒で、九州の公立小学校に通い、私立中学校で学び、カナダの現地高校へ進学。
しかし、カナダの現地高校を退学し、帰国し、インフィニティ国際学院へ進学。
その後、アメリカのテキサス州にあるコミニティ・カレッジに合格した生徒がいます。(2023年9月入学予定)
経緯を分析すると下記の点が挙げられます。
・忍耐力、折れない心 日本に帰国しインフィニティ国際学院から再び海外へ挑戦。
・非認知能力を育む力
カナダの現地高校へ進学し、帰国し、国内外で学ぶインフィニティ国際学院で挑戦する力、レジリエンスなど身につけて再び海外に挑戦しています。
編集部として、国内でも、海外でも自分らしく生きる道を探し、インフィニティ国際学院は、その道をサポートしている事例として3パターンを挙げました。
▽ 保護者の方は、お子さんの経緯について下記のように述べています。
九州の公立小学校で過ごしました。
当時はホームステイを受け入れたり、英語で舞台を作る活動などに参加したり、英語で表現する彼は生き生きしていました。
その後、難関大学を目指す地元の私立中学校に通うものの、朝早くから夜遅くまで大学受験に向けた勉強ばかりで、課外活動を行うエネルギーがなくなってしまったようでした。
自分らしさを取り戻すために日本型教育から離れてみることを決め、中高一貫校を休学しカナダの現地高校に進学しますが、ちょうどコロナが来てしまい強制帰国することになりました。
帰国後の進路を考えている際に、元々いた私立中学校の附属校に戻ることもできましたが、カナダの留学経験から自分らしく探究できる時間と心のゆとりが作れる環境に惹かれ、インフィニティ高等部へ進学しました。
インフィニティ高等部では、3年次のオーダーメイドカリキュラム制度を活用し、半年間メキシコの日系企業でインターンシップをしたり、日本の政治インターンシップをしたりと、とにかく自分の興味・関心のあることに挑戦しました。
これらの経験から、自分の志として日本の良さを、政治とビジネスから広めていきたいと考えるようになり、現在、アメリカのテキサス州にあるコミュニティカレッジへ進学準備をしています。
ゆくゆくは、宇宙工学に力を入れているテキサス州立大学への編入も視野に入れています。
非認知能力を高めて0→1に。周り巻き込んでいく力、忍耐力など生きる力
インフィニティ国際学院は、非認知能力を高めて0→1にできる力、周り巻き込んでいく力、忍耐力など生きる力など従来の暗記教育、詰め込み教育とは異なります。
■日本・世界の現場で学ぶ(現場主義)
リアルな現場での体験や経験を重ねることを重視しています。
また国際的な視野に立ち活動する生徒の未来を見据え、活動のフィールドを国内外に広げています。
■なぜ現場で学ぶのか
現場には机上のテキストからは想像もできない様々な体験が待っています。
五感を刺激する圧倒的な情報量の中で、自らの意思で選択し学びとる力を獲得することができます。
■交流から学ぶ
れぞれの場所に住む人たちとの交流は、地域によって異なる風土や文化、価値観に触れる機会となり、自分自身を見つめるとともに思いやりや気遣いの心を育み、ひとりの人間としての成長を促します。
■未来をイメージできる
ITテクノロジー・マーケティング・ダイバーシティー・戦争問題・地域復興・環境問題・高齢化社会など、よく聞くものの実際には手触り感のないワードについて、自身の目で現場を見ることは、未来を具体的にイメージする糧となります。
奨学金制度も開始!
インフィニティ国際学院は、同校のビジョンに共感し、生きる力と変化する力を要する素養を備えて、入学後何事にも前向きに挑戦し成長する強い意志がある学生を対象に「入学金免除」とする2種類の特待生制度を開始しました。
1.グローバル特待生
内容:現在備えている英語力を活用し、世界の現場を舞台に学びたい生徒を優遇
条件:一定の英語力を所持している者(中等部:英検3級以上・高等部:英検2級以上)
2.チャレンジ特待生
内容:現在備えている探究心や個性を発揮し、世界の現場を舞台に学びたい生徒を優遇
条件:特定の分野で秀でたスキル・実績を持つ者
4月、9月と年に2回の入学タイミング
インフィニティ国際学院 中等部、高等部は、年に2回、新入学も転入学も受け付けています。
中等部と高等部では、それぞれ対象となる事項が異なってきます。
▽ 詳しくは、公式ウェブサイトを参照ください。
インフィニティ国際学院 中等部・高等部は、世界の現場を舞台にして、生きる力を身に着ける全寮制オルタナティブスクールです。
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https://istimes.net/articles/1390インフィニティ国際学院の中等部は、北海道と奄美のデュアルキャンパスが特徴で、北海道上川町の大雪山国立公園の中にキャンパスがあります。初等部が大阪に開校し、小中高と一貫校ができました。オルタナティブスクールの新たな動きとして注目を集めると同時に、多様な選択肢を選ぶ保護者の姿も見えてきます。
【初等部 開校!】インフィニティ国際学院 初等部が大阪府に開校 | By インターナショナルスクールタイムズ
https://istimes.net/articles/1386インフィニティ国際学院は、「旅する学校」として高等部が2019年に開校し、2022年に初等部が大阪府にキンダーキッズインターナショナルスクールを母体として開校しました。同年中等部が北海道上川町に開校し、初等部、中等部、高等部の一貫校体制ができます。また、社会人向けプログラムも開始しました。今後、東京でも初等部の開校が予想されます。
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。